はじめに:緊張の初ラウンド
練習場での特訓を重ねた後、ついに訪れた初めてのゴルフコースでのラウンド。 「練習場とは全然違う」 そう聞いていましたが、実際に体験してみると、その言葉の意味を身をもって理解することになりました。
技術面での戸惑いはもちろんですが、今回はそれ以上に大切だと感じた「ゴルフのマナーと気配り」について、初心者の視点からお伝えします。これからゴルフデビューを控えている方の不安を少しでも和らげることができれば幸いです。
コースに出る前に知っておきたかったこと
服装と持ち物:第一印象は大切
初めてのラウンド前夜、「何を着ていけばいいの?」と悩みました。後で知ったのですが、多くのゴルフ場にはドレスコードがあります。
- ✅ 襟付きのシャツ(ポロシャツなど)
- ✅ チノパンやゴルフ専用パンツ
- ✅ ゴルフシューズ
- ❌ ジーンズやカーゴパンツ
- ❌ Tシャツ
事前に確認、下調べして準備しておきましょう。
到着時間:余裕を持って
「スタート時間の30分前には到着」と言われていましたが、初めてのコースで準備に手間取り、ギリギリになってしまいました。受付、着替え、練習グリーンでのパッティング練習など、思った以上に時間がかかります。
初ラウンドでは1時間前の到着を目安にすると安心です。同伴者を待たせることなく、自分自身も落ち着いてラウンドに臨めるなと思いました。
コース内での基本マナー
1. プレーのペース:「ホールをひとつ空けない」
最初に同伴者から教わったのは「前の組との距離を適切に保つこと」。遅すぎるプレーは後続の組に迷惑をかけてしまいます。
初心者にとって難しく感じるかもしれませんが、以下のことを心がけるだけでもプレーのペースはぐっと改善します:
- 自分の番が来たら素早く準備する
- 打つ前に悩みすぎない(40秒ルールを意識)
- ロストボールの捜索は3分以内に
- パーオン前に次の打ち出し準備を始める
2. 他のプレーヤーへの配慮
ゴルフは「静かさ」が求められるスポーツ。他の人がショットを打つ際には、以下のことに注意しました:
- 視界に入らないよう立ち位置に気をつける
- 音を立てない(クラブを触る音、話し声など)
- 影が相手のラインに入らないよう配慮する
これらは同伴者の方に「あそこに立っていると視界に入るよ」「今は動かないでね」と優しく教えていただきました。最初は気が付かないことばかりですが、少しずつ学んでいくものだと実感しました。
3. グリーン上でのエチケット
パッティンググリーンでは特に繊細なマナーが求められます。私が最初に戸惑ったのは以下の点でした:
- グリーン上を歩く場所:他の人のパットラインを踏まないこと
- 旗竿(ピン)の扱い方:誰が抜いて、誰が戻すのか
- マークの仕方:ボールをマークして拭くタイミング
特に印象的だったのは、同伴者の方がさりげなく私のボールマークを直してくれた場面。後で「ボールが落ちた跡はみんなで直していくものなんだよ」と教えてくれました。この「次のプレーヤーのために」という精神がゴルフの美しさのひとつだと感じました。
4. バンカーでのマナー
バンカーに入ってしまった時、単にボールを打つだけでなく、後片付けが重要だと学びました。
- ショット後は必ずレーキでならす
- レーキは砂の外に置く
- バンカーへの出入りは低い側から
「自分の足跡を消すのは当たり前」。この言葉を意識してからは、コース内のどこでも自分の痕跡を残さないよう気をつけるようになりました。
同伴者への気配り
1. ナイスショットへの称賛
ゴルフでは相手のいいプレーを素直に褒めることも大切なマナーです。「ナイスショット!」「グッドパット!」という言葉をかけ合うことで、ラウンドがより楽しいものになります。
最初は恥ずかしさもありましたが、自然と口から出るようになると、場の雰囲気も和やかになっていくのを感じました。
2. スコアの数え方
自分のスコアを正確につけることは基本中の基本。初めてのラウンドでは、打数を忘れてしまうこともありました。そんな時、同伴者の方が「あそこからここまで3打だったよね」と優しくフォローしてくれました。
スコアカードの記入方法も含め、最初は戸惑うことばかりですが、恥ずかしがらずに質問することが大切だと学びました。
3. お礼の気持ちを伝える
初ラウンドでは様々な面でサポートしてもらうことになります。プレー後は同伴者へのお礼の気持ちを伝えることを忘れずに。
私は終了後、同伴してくださった先輩方に「今日は本当にありがとうございました。たくさん教えていただいて勉強になりました」と素直に感謝の気持ちを伝えました。すると「また一緒にラウンドしようね」と声をかけていただき、嬉しさと安堵感でいっぱいになりました。
知っておくと便利な小さな”気配り”
1. ティーアップの準備
ティーグラウンドでは、自分の番が来る前にティーとボールを準備しておくと、プレーがスムーズに進みます。初めは気が回らず、「さあ、あなたの番だよ」と言われてから慌てて準備することもありました。
2. 写真撮影のタイミング
記念すべき初ラウンド、写真を撮りたい気持ちはわかります。しかし、他の組のプレーを妨げないよう、タイミングには気を配りましょう。私は最終ホールのグリーン上で、同伴者の方が「今なら大丈夫だよ」と声をかけてくれた時に記念写真を撮りました。
3. カートの運転と位置
ゴルフカートの運転も最初は緊張するものです。
- 濡れた芝生の上は走らない(カート乗り入れできる場合)
- グリーンやバンカーの近くには近づきすぎない(カート乗り入れできる場合)
- 次に打つ人の近くに停める
特に最後のポイントは「気配り」の一つ。歩く距離を短くするよう、カートの停車位置を考えることで、同伴者への思いやりを示せます。
初心者が安心して楽しめるゴルフ場選び
初めてのラウンドでは、ゴルフ場選びも重要です。私が選んだのは「初心者歓迎」を掲げるゴルフ場でした。
初心者フレンドリーなゴルフ場の特徴は:
- コース難易度が比較的易しい
- スタート時間の間隔に余裕がある
- マーシャル(コース内を巡回するスタッフ)によるサポートが充実
- レンタル用品が充実している
マナーブックよりも大切なこと
ゴルフのマナーは本やインターネットで学ぶことができますが、最も大切なのは「周囲への気配り」の心だと感じました。
- 他のプレーヤーを尊重する
- コースを大切にする
- 同伴者と楽しい時間を共有する
この3つの心があれば、細かいルールは徐々に覚えていけばいいのです。私も最初は緊張しましたが、「わからないことは素直に質問する」「感謝の気持ちを忘れない」この2つを心がけたことで、温かく受け入れてもらえました。
初ラウンドの持ち物チェックリスト
最後に、私が「あれば良かった」と思った持ち物リストをシェアします:
- □ 替えのシャツ(汗をかいた後の着替え用)
- □ 軽食・お菓子(エネルギー補給用)
- □ 日焼け止め(紫外線対策は必須)
- □ ボールマーカー(コイン類ではなく専用のもの)
- □ グリーンフォーク(ボールマークを直すツール)
- □ タオル(汗を拭いたり、クラブを拭いたり)
- □ 雨具(天候が変わりやすい日用)
特に「グリーンフォーク」は持っておくと印象が良く、ゴルファーとしての意識の高さを示せます。

まとめ:技術より大切なのは「心」
初めてのラウンドで、スコアはさておき、最も印象に残ったのは「ゴルフは技術だけでなく、マナーと気配りのスポーツである」ということ。
うまく打てなくても、マナーと気配りがあれば、また一緒にラウンドしたいと思ってもらえる——この言葉を胸に、これからもゴルフの腕前とともに、「心」も磨いていきたいと思います。
今回の体験から、ゴルフは単なるスポーツではなく、社交の場であり、人間性が表れる場でもあると実感しました。初心者の皆さんも、技術に気を取られすぎず、ぜひ「気配り」の心を持ってゴルフを楽しんでください。